長崎県には、現状、全国の約15パーセントものキリスト教信徒が在住し、キリスト教文化の色濃い地域である。
2007年にユネスコの世界遺産暫定リスト(文化遺産)に登録された[長崎の教会群とキリスト教関連遺跡]は、長崎県の西部海岸沿いと五島列島の島々に点在する教会群とその関連遺跡を指する。
登録を目指しているのは、原爆被爆後に再建された大浦天主堂を初めとする以下の資産である:旧羅典神学校、黒島天主堂、旧五輪教会堂、青砂ヶ浦天主堂、頭ヶ島天主堂、田平天主堂、旧出津救助院、出津教会、大野教会、堂崎教会、旧野首教会、江上教会、宝亀教会、原城跡、吉利支丹墓碑、日野江城跡、日本二十六聖人殉教地、ド・ロ神父遺跡、サント・ドミンゴ教会跡等。


長崎の教会群とキリスト関連遺跡は、ユネスコの文化遺産登録基準の2,3,4,5を満たすとしてその認定が待たれている。
具体的には以下の点があげられている。
なかでも基準6は、その迫害と殉教の歴史を前面に押し出し、この遺跡の独自の特徴点を示している:

基準6 [長崎の教会群とキリスト教関連遺産は、迫害と殉教、また世界史に類を観ない250年の潜伏からの劇的な復活と云う世界に大きな衝撃と感動をあたえた出来事の直接的な舞台である。
更に、本資産は日本の著名な文学作品の主題及び舞台になっており文学史の中でも重要な部分を占めている。
また、400年を経て今なおカクレキリシタンに歌い継がれている[オラショ]は、宣教師によりもたらされた典礼音楽のグレゴリオ聖歌や16世紀のスペインの一地方の聖歌を原形とし、当時の形態を伝承するものである。
]

基準6にみるように、長崎の教会群は、為政者に拠って弾圧されてきた歴史を伝達する負の遺産である。
長崎に投下された原爆の傷跡同様、こうした負の遺産も2度とその過ちを犯さないよう警鐘を鳴らす実在として受け継いでいくべきものだと痛感する。






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