アスワンの南280km、アスワンハイダム建設に拠って出きた、人造湖であるナセル湖のほとりに有る。
アブ・シンベル神殿は、古代エジプト新王国時代第19王朝のラメセス2世に拠って建設されたのだ。
今から約3300年前の事である。
ラメセス2世は、カルナック神殿やルクソール神殿にも自身の巨像を残している。
よほど自己顕示欲が強かったのだろう。
大神殿正面には4体のラメセス2世像がまさにそびえたってる。
その高さは20m。
あまりの大きさに圧倒されてしまうばっかりである。
その巨像の上にずらりと居並んでいるのが、日の出を喜ぶ22体のヒヒ。
ユニークなその姿には、思わず笑みがこぼれる。
入り口手前には、戦争捕虜のレリーフが残る。
アフリカ系の捕虜等、その顔つきは明白にアラブ系とは異なる。
アブ・シンベル神殿、正確にはアブ・シンベル大神殿の横には、大神殿にそっと寄り添うように、アブ・シンベル小神殿が有る。
ラメセス2世が王妃フェルトアリの為に建造した岩窟神殿である。
4体のラメセス2世と、2体のネフェルトアリ像、更に足元には彼らの子供たちの像が刻まれている。
アブ・シンベル神殿では、夜、音と光のショーが催される。
ユネスコによる神殿の救済から始まり、ラメセス2世とその妃ネフェルトアリの夫婦愛、戦いの歴史が星空のもとで繰り広げれる。
昼間のあの暑さがうそのように、ナセル湖から涼しい夜風がそよい出きる。
ライトアップされた大・小のアブ・シンベル神殿を観ていると、悠久の時間の思いを馳せると共に、このすばらしい遺跡がダムの水の底に沈まなくて本当に良かった、とつくづくおもう。
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